|
|
2007-07-18 12:20
迷走する米ドルと二人三脚の円相場
通貨別 予想レンジ ドル円 121.50〜122.30 ユーロ円 167.70〜168.50 ユ−ロドル 1.3750〜1.3850 豪ドル円 106.20〜107.00 米企業の好決算が続き、NYダウも節目と見られた史上最高値を連日更新しており、一時的にも14,000ドル台を突入し、スピード違反の可能性も否めないが、サブプライム問題を筆頭に、米経済の不透明性は根強いものがあるが、経済の先行指標である株高を見る限り、米景況感は衰えを見せていない。その一貫として、昨日の対米証券投資の数字が1261億ドル(予想700億ドル)と大幅に予想を上回ったことが表わしている。 反面、米ドル安が進行中ではあることが、株高との連動性を高めており、妙に米経済のバランスを取っており、ドル安・株高の図式は払拭できないのが現状であろう。包括的には米ドル安が原油価格及び金価格の高騰をもたらしている裏事実も否定できず、為替相場にとっては、NY株式市場の動向には目が離せない状況である。日米経済の連動性が重んじられる米ドル安と円安とも解釈できる相場であり、詰まるところ、ドル円相場がレンジ相場の域を脱していない理由付けにもなる。 一方、他の主要通貨が対米ドルでは続伸しているにもかかわらず、ドル円が122円前後の円安で推移している懐疑的な見方もあるように、実効為替の面からは10%程度の円高が適正水準とも受け取れる。ドル円ならば110円、ユーロ円150円、そしてポンドは225円が適正水準となり、中期的には円高局面になると判断するが、円キャリートレードが加速している状況下では希望的な観測にならざるを得ないのが実状である。 それだけ金利格差が為替相場を歪めており、円キャリーの収束の難しさに直面している相場展開である。 円キャリーがクロス円高を生み出し、米ドルのストレートな弱さがユーロの史上最高値を更新、他の高金利通貨も何十年ぶりの高値を更新ともなれば、清算レベルに達している状況と判断するのが賢明であり、新高値を追うリスクは避けたいレベルである。 補足的になるが、2000年のITバブル崩壊時の高金利水準を上回っている通貨はNZドルのみの状況である。今現在のNZ中銀の介入操作にも繋がっているとも言える。世界各国の金利水準も2004年前後の低金利水準を底辺にして、日本を除けば上昇に転じており、総じて、世界経済の順調さが窺える状況と言える。 ちなみに、当時の主要各国の金利水準も軒並みに高く、米ドルは6.5%(5.25%今現在)、ユーロ4.75%(4%)、ポンド6.5%(5.75%)、カナダ5.75%(4.5%)、スイス3.5%(2.5%)豪ドル6.25%(6.25%)、そして、NZドル6.5%(8%)のみが当時の金利を突破している状況である。円金利は0.25%から0.5%までの推移では円離れが必然的に発生する市場である。 当時のドル円レートは今より10%ほどの円高相場(110円)であり、ユーロドルは1.00にも達しておらず、0.90台を推移しており、ユーロ円に至っては100円割れの状況を考えると、米ドル絡みの円安相場は歴然であり、米ドル安がかなり浸透していることは理解できる。米国は常に強い米ドルは国益になると主張しているが、現実には弱い米ドルが国益に繋がっており、米ドル安の進捗状況をみれば、人民元の切り上げ問題にも懐疑的な見方が浮上しているのも不自然ではない。 日米経済も自国通貨安の経済基盤では、脆弱性が生じるため、米ドルと円の通貨離れが起こりやすい環境は否めない。 それゆえに、主要8大通貨間のアンバランスが生じているマーケットである。今後の乱高下を考えると、常にフットワークを重視した、少なめのトレードに徹することが賢明であろう。 早朝に米投資銀行大手ベアー・スターンズ傘下のヘッジファンドの1〜2社が機能しなくなった報道を受けて、米ドル売りが加速しており、ユーロドルも再び1.38台に乗せており、下値堅調が続くが、既にNY株式市場で折り込まれており、限定的な米ドル売りと見なすべきであろう。昨日と同様に1.3750からのロングと1.38台半ばの売りを勧める。ドル円も122円割れからは、根強い買い散見されるが、121.50〜122.50のレンジ相場として臨むことを勧める。いずれにしても、今晩のバーナンキFRB議長の議会証言に市場は注目しており、サブプライム問題を含めて、模様眺めの市場と判断するが、サプライズ的な事は期待できないだけに、上記レンジ幅での売買で様子見を勧める。 ************************************ ▲邦銀勢によれば、輸出企業の売りは122円台半ばからの始動であり、売り急ぎは全く見られず、122円割れでは全く興味を示していない。一方、輸入企業は昨日と同様に121円台半ばからの始動である。 今晩の米経済指標と要人発言に関心が注がれており、双方とも模様眺めの状況である。 ▲海外勢によれば、本線は1.37台半ばのユーロロングであるが、依然として、1.38台半ばの売り姿勢は健在であり、現状では利益確定と新規ポジション売りも散見されており、上値の重い展開は変わらない。流れ的には少なめの売りで対応することが賢明であるが、2.3850からのナンピン売りであれば、リスクも限定的と判断する。 ▲クロス円もポンドの250円に引きつられて、上昇気運にあるが、利益確定売りも散見されており、一気に上値を追う展開ではないが、乱高下必死で臨む事は肝心であり、ストップロスを配して臨むことが絶対条件となるが、基本的にはレンジ相場であり、大きな動きが生じてからの逆張り戦略も一考したい局面である。ユーロ円168円台半ば以上と豪ドル円107円前後の売りで待機することを勧める。 |
為替分析-鈴木 郁雄記事一覧(最新5件)
プリント
ビュー:
1235 |
|
ビュー:
1235